もうはるか大昔のことのように思えるが、世界が新型コロナウイルスの存在に初めて気づいたのは、昨年12月のことだ。
世界中の科学者がウイルスの仕組み解明に精力的に取り組んではいるものの、まだ分からないことはたくさんある。
そのため私たちは誰もが、惑星規模の実験に参加して、真相究明に参加しているのだ。
まだ答えが得られていない大きな疑問をいくつか、挙げてみる――。
1. どれだけの人数が感染したのか
これは最も基本的な、そして最も重要なポイントのひとつだ。
世界中で実に数十万人の感染が確認されているが、実はこれは総数の一部に過ぎない。
そして、無症状感染者の数、つまり感染はしたものの症状が出ない、具合が悪くならない人の数はもっと分からないだけに、実際の感染者の数はますます分からなくなる。
抗体検査が開発されれば、すでに感染していたかどうかは調べられる。
それができて初めて私たちは、このウイルスがどれだけ広がっているのか、あるいはどれだけ楽々と拡散しているのか、理解できるようになる。
2. 実際の致死率は
何人が感染したのか分からなければ、致死率も確かなことは分からない。
現時点では、感染した約1%が死亡すると推計されている。
しかし、症状の出ない患者が実は大勢いるのならば、死亡率はこれより低くなる。
3. どこからどこまでが症状なのか
新型コロナウイルス感染による主な症状は、発熱と空ぜきだ。まずこれが出てないか、気をつける必要がある。
喉の痛み、頭痛、下痢の症状が出たという報告も一部ではある。また、においが分からなくなる嗅覚の異常も、一部の患者に出るようだという見方が増えている。
しかし何より重要なのは、鼻水やくしゃみといった、軽い風邪のような症状も、新型コロナウイルス感染によって引き起こされるのかどうかだ。
この可能性もあると示唆する研究もあり、そうだとすればウイルスを保有しながらそうと気づいていない人が、周囲にウイルスをうつすおそれがある。
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-52080723