
2020/04/28
NHSイングランドが総合診療医に送付した緊急通知によると、
ロンドンのほか国内各地の集中治療部門で、
重症の子どもたちに見慣れない症状が出ている。
この症状には、インフルエンザのような症状とあわせて、
「多臓器の炎症」も含まれる。全員ではないが、
新型コロナウイルス検査で陽性と判定される子どももいる。
珍しい症状が出た子どもの人数は明らかになっていないが、
少数にとどまるとみられている。
NHSイングランドの医療部門トップを務めるスティーヴン・ポウィス氏は、
珍しく重症な症状が子どもに出ているとの報告を受けていたと述べた。
「報告が届くようになったのは、ほんの数日前からだ。
緊急に調査するよう私たちの専門家に指示した」
さまざまな年齢の小児患者はいずれも重篤で、
高熱や血圧の低下、発疹、呼吸困難など、
毒素性ショック症候群に似た反応がみられたという。
このほか、腹痛や嘔吐(おうと)、下痢など胃腸に症状が出た患者や、
心臓の炎症、血液検査で異常数値が確認された患者もいた。
こうした症状は、患者の体が感染症と戦う中で対応しきれなくなった時の
ものだと、複数の専門家は指摘する。
こうした症状が出た場合は緊急処置が必要だと、NHSの通知は指示している。
ただし専門家は、新型コロナウイルスで重症化する子どもは
ごくわずかだと強調している。子どもは今回の感染症の影響を
最も受けにくい年齢層だと、世界中のデータが示している。
ケンブリッジの団体「小児集中治療」のコンサルタントを務める
ナジマ・パサン医師は、スペインやイタリアの同僚からも
同様の症例が報告されていると話す。
「子どもの一部には敗血性ショックのタイプの症状や発疹が出ている。
毒素性ショック症候群や(血管や心臓に影響を及ぼす)
川崎病で見られるような症状だ」
(後略)
https://www.bbc.com/japanese/52450969