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韓国のコロナ対策を称える日本に欠ける視点
<ドライブスルー検査など、韓国の対応を称賛する日本のマスコミやコメンテーターたち。
だが、その「迅速さ」を可能にしているものを軽く見過ぎているのではないか。
本誌「ポストコロナを生き抜く 日本への提言」特集より>
新型コロナウイルス対応についての日本のニュースを見ていると「韓国では」という言葉が頻繁に聞こえてくる。
私見を言えば、最も模範的な事例として語られるべきは台湾の事例だと思うのだが、
それでも、母国が良い参考事例として語られるのを見ると悪い気はしない。
最も注目されているのは韓国の対応の「迅速さ」だ。
日本のマスコミやコメンテーターは、韓国のドライブスルー形式の診断検査などを模範事例として紹介し、
日本も韓国のように検査すべきだ、と力説する。
だが、そのような人たちは、韓国の対応の「迅速さ」を可能にしているものを軽く見過ぎているのではないかと思う。
韓国には韓国ならではの事情、システムがある。
はっきり言えば、韓国が示してみせた「迅速さ」は国家の強力な統制と国民の我慢、そして犠牲の上に成り立っている。
「韓国のように」と口にする人たちは「迅速さ」の裏側にあるものを受け入れる覚悟ができているのだろうか?
https://www.newsweekjapan.jp/che/2020/05/post-4_1.php