「女子小学生は水色」「夏でも黒服」…色を選ぶ境界線を教えよう
5/5(火) 14:22配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200505-00010003-newswitch-bus_all
コミュニケーションで効果的な役割を持つ
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1927年に設立した日本色彩研究所(色研、さいたま市岩槻区)は、色彩を中心とした複合的な研究機関だ。企業からさまざまな委託研究を受けてきた。色彩心理を専門にする同研究所研究第1部 シニアリサーチャー名取和幸氏に、商品にとって色彩がどのような価値を持つか聞いた。
“アナ雪効果”で人気はパープルへ。刻々と変わるランドセル戦線
―色彩研究所ではどのような取り組みをされているのでしょうか。
ある商品の商品力を色の力を使ってどうやってサポートしていくか、というコンサルティングと、そのためのカラーリサーチをしています。例え色を変えても生産コスト自体が変わらないとすると、どういう色使いにすることによって商品の価値を上げることができるか、商品力を高められるかを調べることが主な仕事です。
また、色彩の設計を自分たちですることもあります。例えば隅田川にかかる橋の色を、東京都からの依頼で設計しました。
―カラーバリエーションが増えたことによって商品価値が変わったものにランドセルがあると思われます。ランドセルは年代によって好みがビビットに変わっていますね。
私どもでも、当時の小学2年生、5年生、中学2年生を対象に、2009年、11年、14年にそれぞれ全国規模で「好きな色」の調査を行いました。
例えば、女子を見てみると、14年のデータでは、小学2年生は水色が好きと答えた割合が多かったんです。幼稚園児にはピンクが人気なのですが。この時の調査では、女の子には水色とピンクと薄紫の三色を見せたとき、水色と薄紫がほぼ同率でした。小学生ながら、可愛いピンクが好きだった幼稚園時代から卒業して、さわやかで落ち着いた印象のある水色に好みが変化していくようです。
そうした色の好みがランドセルにも反映しています。昔だと、水色のランドセルは祖父母や両親から敬遠された場合も多いでしょうが、現在ではそういった抵抗がなくなってきている。子どもたちの「こんな色が欲しい」という気持ちがあって、それが社会的にも受け入れられるようになってきています。商品が社会の常識を変えていっているのです。