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香港の治安維持方針 米高官の制裁発言に中国反発
抗議活動が続く香港の治安維持のためとして、中国が直接、法律の制定に乗り出す方針を示したことについて、アメリカ政府の高官は、中国に制裁を科す可能性を示唆しました。これに対し、中国外務省の報道官は、「中国の利益を損なうのであれば断固、反撃する」と警告しました。
抗議活動が続く香港について、中国政府はみずからの主導で治安維持のための法律を制定する方針を打ち出しました。
これについて、アメリカのトランプ政権で国家安全保障問題を担当するオブライエン大統領補佐官は24日、記者団に対し、「中国がこの法律を制定すれば、香港で高度な自治が維持されていると認めるのは難しくなる。そうなれば制裁やそのほかの措置につながる」と述べ、制裁を科す可能性を示唆しました。
これに対し、中国外務省の趙立堅報道官は25日の記者会見で、「アメリカの政治家が発するさまざまな声や雑音に断固、反対する」と述べたうえでアメリカ側に中国の立場を伝えたことを明らかにしました。
さらに、趙報道官は「香港の事柄は中国の内政だ。アメリカに干渉する資格はない」と反論し「アメリカが中国の利益を損なうのであれば必ず必要な措置をとり、断固、反撃する」と警告しました。
米中は、このところ新型コロナウイルスへの対応をめぐって鋭く対立していますが、香港の問題は両国の対立をさらにあおるものになっています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200525/k10012443611000.html