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よく晴れた日に干した布団などから、なんともいえない心地よい香りがしたという経験がある人も多いはず。
このにおいの正体については、「ダニの死骸のにおい」といった俗説もまことしやかにささやかれていますが、最近の研究によりついにその正体が突き止められました。
(中略)
その結果、直射日光の下に干したタオルからは、
・心地よい香りのもととなる有機化合物であるアルデヒドやケトンをはじめとして、
・香辛料のカルダモンに含まれるペンタナール、
・かんきつ系の香りのもとになるオクタナール、
・バラのような香りがするノナナール
などが放出されていたことが分かりました。
Pugliese氏は、こうした化学物質が直射日光にさらされたタオルから放出されたのは、大気中のオゾンガスや日光のはたらきだと考えています。
特に、ぬれたタオルの繊維に含まれる水滴が虫眼鏡のようなはたらきをして日光中の紫外線を収束させることで、タオルに含まれていた化学物質が励起されると、アルデヒドやケトンといった物質の合成が促進される可能性が高いとのこと。
同様の化学反応は、雨後に太陽が差した場合など自然界のあらゆる場所で発生しますが、特に日光の下で干した布から香るのは「綿の繊維がアルデヒドを保持しやすいから」だとPugliese氏は考えています。
なつかしい我が家の香りの正体を突き止めたPugliese氏らは、今後人工的な光でも同様の化学反応を引き起こせるかの研究を行う予定とのことです。
https://gigazine.net/news/20200602-smell-line-dried-laundry/