インド軍は16日、中国との境界で発生した衝突により兵士3人が死亡したと発表した。ここ数週間、中印両国は兵員を増派するなど、緊張が高まっていた。
インド軍報道官は「暴力的な小競り合いがきのう(15日)夜に発生し、犠牲者が出た。インド側の死者は将校1人、兵士2人だ」と述べた。
インド軍は今回の事件が、中国・チベット自治区(Tibet Autonomous Region)に接する印ラダック(Ladakh)地方にあるガルワン(Galwan)渓谷で発生したと説明。先月9日にも乱闘や投石などの騒ぎが起き、中印両軍の兵士数名が負傷していた。
現場地域に配属されているインド軍将校は匿名を条件にAFPの取材に応じ、
「銃撃は起きておらず、殺された将校は大佐だ」と説明「発砲もなく、火器も使用されていない。暴力的なつかみ合いの乱闘だ」と述べた。
インド軍は「双方に犠牲者」が出たとしているものの、中国政府は死者および負傷者については言及していない。
ただ中国政府はすぐさま、この事態の責任はインド側にあると断じた見解を発表。インド側が両国間の境界線を越えたと非難した。
中国外務省の趙立堅(Zhao Lijian)報道官は、インド軍部隊が15日に2度境界線を越えたと説明。
「中国の兵員を挑発・攻撃し、両国側の国境部隊の間で深刻な物理的な衝突に至った」と述べた。
https://www.afpbb.com/articles/-/3288639