(CNN) オランダ国家検察は、ベルギーとの国境に近いワウーセ・プランタージュで行った捜索で、輸送コンテナ6個の中に隠された拷問部屋と思われる設備と、剪定(せんてい)ばさみなどの拷問道具を発見したと発表した。
捜索は6月22日に実施され、誘拐や人質事件にかかわった容疑で男6人を逮捕した。
6個のコンテナにはそれぞれ、両手を挙げて立った状態で人を縛りつけるための手錠が天井と床に取り付けられていて、防音パネルと断熱材が張られていた。
コンテナの1つには歯科用の椅子があり、足と両腕を縛るストラップが付いていた。拷問あるいは被害者を脅す目的と思われる道具の入った袋もあった。
さらに、枝のこぎり、手術用メス、ペンチ、手錠、指錠、テープ、目出し帽、頭にかぶせる黒い綿の袋も見つかったほか、ロッテルダムの民家の捜索では、24キロ分の合成麻薬MDMAが発見された。
輸送コンテナには、離れた場所から監視するためのカメラも取り付けられていた。ほかにも盗まれたワゴン車やBMW車、拳銃や中国版のAK47自動小銃など25丁の武器が見つかっている。
当局によると、今回の捜査は4月から開始し、この過程で暗号化されたチャットネットワーク「EncroChat」にアクセスすることに成功。グループの動きや犯行計画を監視して、狙われていた複数の人物を割り出した。
狙われた人物は警察から連絡を受けて身を隠し、「誘拐して人質を取ろうとした凶悪犯罪は未然に防止された」としている。
逮捕された男6人はいずれもオランダ人で、アムステルダムの裁判所が6日、90日間の拘留を命じた。
https://www.cnn.co.jp/world/35156430.html