
「ポスト文在寅」と目されていた朴市長
元秘書女性から「2017年からセクハラの被害を受けてきた」と告訴された朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が、その2日後の7月10日に亡くなったことが報じられて、韓国社会に衝撃が走った。
<中略>
#MeToo運動が盛り上がる韓国
アメリカ発の#MeToo運動が世界的な盛り上がりを見せたが、アジア圏でも例外的なほどの盛り上がりを見せたのが韓国だった。
#MeToo運動は、セクハラやパワハラに声を上げられない女性が、勇気ある女性の発言に追随する形で被害を告発して、社会を変えていこうという運動である。なかなか声を上げることができない弱い立場にある女性のための連帯運動だと言っていいだろう。
典型的には、ツイッターでセクハラ被害を告白した投稿に対して、自分も同じような経験したことを#MeTooというハッシュタグでリツイートして、自らの被害も告白するという形になる。
私の体感では、日本では他国ほどは盛り上がらず、2017年にブロガーのはあちゅう氏が電通時代のパワハラを告白したことや、2018年に財務次官セクハラ疑惑で野党政治家がハリウッドをまねて黒い服を着て抗議したことなどが記憶に残るくらいだ。
それに対して、韓国では2018年に秘書女性への性的暴行を告発された安熙正(アン・ヒジョン)忠清南道知事が実刑判決を受け、2020年4月に釜山市の呉巨敦(オ・ゴドン)市長が女性職員からセクハラ被害を告発されて辞職するなど、#MeToo運動が大きなうねりになっている。
それだけに、フェミニズム運動の中心人物として高名な朴市長がセクハラで告訴されたことは、本人にはもちろん、関係団体や支持者にもダメージを与えたことは想像にかたくない。

韓国大統領の有力候補、ソウル市長が自殺に追い込まれた本当の理由
白川 司
国際・中国 DOL特別レポート
2020.7.15 5:20
https://diamond.jp/articles/-/243091?display=b