史上最高のベーシスト50選
ファンクマスターからプログレの神童、スラップ奏法の達人から超一流の
セッションミュージシャンまで。ローエンドとは何たるかを体現してきた史上
最高のベーシスト50人をカウントダウン形式で紹介。
「ベースこそが土台なの」数々の名演を残した伝説的セッションミュージシャ
ン、キャロル・ケイはかつてそう語った。「ベーシストはドラマーと一心同体
となってビートを生み出す。彼らの演奏は音楽を支える枠組みになる」
ポール・マッカートニーによるヒプノティックな「カム・トゥゲザー」のリフ、
ジェームス・ブラウンの「セックス・マシーン」におけるブーツィー・コリンズ
の狡猾なバンプ、あるいはトーキング・ヘッズのティナ・ウェイマスが「サイ
コ・キラー」で刻むミニマルなパターンまで、優れたベースラインはまるで
呪文だ。永遠に鳴り止むことがないかのように感じられるそのフレーズは、
聴けば聴くほどに豊かさを増していく。ギタリスト/シンガーや管楽器奏者が
スポットライトを浴び、ドラマーが溢れんばかりのエネルギーを全身で表現
するのに対し、ベーシストは曲が終わった後も頭の中で延々と鳴り続けるよう
な、楽曲における根本的な何かを生み出す。
ベーシストは然るべき評価を得られないことも多く、バンド内でさえ過小評価
されることもある。「一番人気のあるパートではなかった」スチュアート・
サトクリフ脱退後にベーシストとしてビートルズに加入したときのことについ
て、ポール・マッカートニーはそう語っている。「誰もベースはやりたがらな
かった。みんな目立とうとしてたからね」
ポピュラー音楽に不可欠なベースという楽器は独自の歴史を築き上げてきた。
デューク・エリントンのオーケストラでアップライトベースを弾いたジミー・
ブラントン、ビバップのパイオニアたるオスカー・ペティフォード、ジャズ界
の巨人チャールズ・ミンガスやロン・カーター。あるいは、セッションミュー
ジシャンとして無数の名演を残したキャロル・ケイやジェームス・ジェマー
ソン。ロックの闘士ことクリームのジャック・ブルースやザ・フーのジョン・
ウェントウィッスル。ファンクの達人ブーツィー・コリンズやスライ&ザ・フ
ァミリー・ストーンのラリー・グラハム。プログレの神童たるイエスのクリ
ス・スクワイアやラッシュのゲディ・リー。フュージョンの代名詞となった
スタンリー・クラークやジャコ・パストリアス。パンク/ポストパンクを
極めたティナ・ウェイマスやミニットメンのマイク・ワットまで、歴史に名を
残すベーシストの枚挙には暇がない。オルタナロック全盛の時代には、直感的
なプレイでソニック・ユースの核を成したキム・ゴードンや、プライマスで
超絶テクニックを見せつけたレス・クレイプールが登場した。より最近では、
エスペランサ・スポルディングやサンダーキャットがローエンドを基調とする
音楽的世界観を確立してみせた。
続き
https://news.mynavi.jp/article/20200725-1174808/