物々交換という形態の交易を通じ、南北交流協力再開の糸口にしようとした韓国統一部(省に相当)の李仁栄(イ・インヨン)長官の構想が難関にぶち当たった。韓国の砂糖と北朝鮮の酒を交換するため、すでに契約まで締結した北朝鮮の企業が国連の制裁対象だったことが分かったからだ。
国家情報院は今月20日、韓国の民間団体「南北経総統一農事共同組合」と物々交換契約を結んだとされる北朝鮮の「開城高麗ニンジン貿易会社」について、「国連安保理の制裁対象であることを確認した」と国会情報委員会に報告した。
北朝鮮側の契約当事者であるこの人参会社は、国連制裁対象である労働党39号室の傘下機関だという。
これに先立ち南北経総統一農事共同組合は、1億5000万ウォン(約1330万円)相当の北朝鮮酒35種を砂糖167トンと交換する契約を北朝鮮のニンジン会社と締結し、統一部に物品の搬出・搬入の承認を要請していた。
先月就任した李長官は、北朝鮮のビールと韓国の米を交換する方式の「小規模交易」を通じ、南北交流を再開させる計画について説明してきた。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/08/24/2020082480002.html
北の機関と物々交換すると言っていたのに…韓国統一部、相手が制裁対象であることも知らなかった
物々交換による交易を通じ、南北交流協力の突破口を見いだそうとした韓国統一部(省に相当)の李仁栄(イ・インヨン)長官の構想が事実上霧散した。
その最初の事業として韓国の砂糖と北朝鮮の酒を交換する物々交換を推進したが、取引相手の北朝鮮機関が国連制裁の対象であることが分かったからだ。
統一部が基本的な事実関係の確認もせず対北ドライブをかけ、自ら大恥をかいたとの指摘が相次いでいる。
国会情報委員会で与野党の幹事を務める与党・共に民主党の金炳基(キム・ビョンギ)議員と野党・未来統合党の河泰慶(ハ・テギョン)議員は24日、非公開で行われた統一部業務報告後に記者団の取材を受け「該当事業は完全に撤回されたとみるべきだ」と述べた。
これに先立ち韓国の民間団体「南北経総統一農事共同組合」は北朝鮮の「開城高麗ニンジン貿易会社」と契約を締結し、1億5000万ウォン(約1300万円)相当の北朝鮮産の酒35種を砂糖167トンと交換するため統一部に物品の搬出・搬入承認を要請していた。
李長官は先月27日の就任後、北朝鮮のビールと韓国の米を交換する方式の「小規模交易」を通じ、南北交流を再開したい意向を引き続き明らかにしてきた。
ところが先日、国家情報院は開城ニンジン会社について「国連の制裁対象となっている労働党39号室傘下の機関」と国会情報委員会に報告した。
金炳基議員は「統一部が国家情報院に(物々交換契約を行った北朝鮮企業が制裁対象である事実を)しっかりと確認しなかったようだ」「(統一部と国家情報院間の)疎通と情報共有が円滑ではないとの指摘もあった」と説明した。南北物々交換事業の推進は当分難しくなりそうだ。
しかし統一部はこの日「(該当の事業について)『撤回』という用語を使うのは不適切だ」とした上で「統一部は該当企業(ニンジン会社)に対する懸念を考慮し、南北間で物品の搬入・搬出承認を申請した企業と契約内容の調整に向けて協議している」と発表した。
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/08/25/2020082580003.html