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中国で共産党ナンバー5の絶版本が必読書に−30年前に米国衰退予測
ワシントンでの連邦議会議事堂襲撃に至った米国の大混乱を受け、中国の知識人らは国内対立で米国が衰退すると約30年前に予測していた絶版本を躍起になって入手しようとしている。
中国語で「米国に反対する米国」と題されたこの本が注目を浴びているのは、執筆者が中国共産党のナンバー5、王滬寧氏であることも大きい。
政治局常務委員の王氏は、習近平氏まで3人の国家主席のブレーンで、トップの政治理論学者だ。
オンライン古本市場の孔夫子では、1万6600元(約27万円)余りで出品する売り手もいる。
米国のライバルは日本だと広く見なされていた1991年の当初売値と比べると、3000倍を超える水準だ。
中国人民大学重陽金融研究院の王文執行院長は「この本への関心は、国内冷戦の真っただ中にある米国を理解したいという意識が再び強まった結果だ。
最近の出来事を受け、米国に関する中国の疑念は確実に強まるだろう」と指摘した。
王滬寧氏の本は88年に学者として米国を訪れていた際に執筆された。米国の「個人主義、快楽主義、民主主義」重視はいずれ自国の競争力を弱める亀裂の原因になると予想。
「集団主義、無私無欲、権威主義」の上に築き上げられた日本のような国が有利だとする主張を展開していた。
当時、米国にとって最大の競合国とされていたソ連は崩壊し、日本は経済の低迷から抜け出せないでおり、
王氏の理論はそれほど的確ではなかったが、今は世界のバランスが変化しつつあるとの自信が中国内で広がっている。
共産党総書記でもある習氏は地方などの幹部を前に11日に行った演説で、「世界はここ1世紀見られなかった大規模な変化を経験しているが、時機はわれわれに有利だ」と述べ、
「全般的に挑戦をしのぐ機会」が見受けられると明言。国営の新華社通信は12日の論説で、
米議会議事堂の「陥落」は「欧米式の民主主義がもはや機能しない」ことを立証し、「米国はその同盟国から見て失敗国家になった」と論じた。
原題:A $2,500 Book on U.S. Decline Is Suddenly a Must-Read in China(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2021-01-14/QMWCT2DWLU7F01