
中国、ウイグル族の人々を新疆ウイグル自治区から引き離すため、遠方への"転職"を強制か
Bill BostockMar. 05, 2021, 10:45 AM
中国は、"転職"を使ってウイグル族の人々を新疆ウイグル自治区から強制的に引き離していると、BBCなどが入手した報告書は示している。
中国の政府高官の間で回覧されたこの報告書は、転職が「少数民族のウイグル族を混合、同化させる」としている。
中国政府はウイグル族を"テロのリスク"と見なしていて、その文化を消し去ろうと取り組んでいる。
中国の政府高官の間で回覧された報告書は、中国政府がウイグル族の人々のアイデンティティーを奪うために、彼らに地元から数千キロ離れた場所の仕事をオファーし、それを受けるよう圧力をかけていることを示唆している。
2016年以降、中国はウイグル族の人々約100万人を新疆ウイグル自治区内にある数百の強制収容施設に収容している。中国はウイグル族を"テロの脅威"だと主張し、ウイグル族の人々を洗脳したり、出生率を大幅に下げようとしていると非難されている。アメリカやカナダは中国政府が「ジェノサイド(大量虐殺)」を行っていると糾弾している。
具体的には、強制的な中絶や避妊、レイプ、恣意的な逮捕、強制労働、執拗な監視といった弾圧が行われているという。
しかし、中国の政府高官の間で回覧された、南開大学による2018年5月の報告書によると、中国政府はどうやら転職スキームの一環として、ウイグル族の人々を地元から遠く離れた場所へ送り込むことで、積極的に彼らを地元から引き離し、中国文化に同化するよう強制しているようだ。
この報告書はBBCと新疆ウイグル自治区における中国の行動に詳しい研究者エイドリアン・ゼンツ(Adrian Zenz)博士が入手した。
ゼンツ博士の分析によると、新疆ウイグル自治区のホータン地区で実施された調査に基づくこの報告書は、2019年12月にインターネットで公開されたが、2020年半ばに削除された。BBCは、報告書が誤ってネット上に公開されたと伝えている。
報告書は"転職"を「少数民族のウイグル族を感化、混合、同化させるのに重要な方法」と呼び、「彼らの考え方を変える」ことができるとしている。
中国はしばしば、新疆ウイグル自治区における自らの行動 ―― 強制収容施設への収容を含め ―― を彼らの"過激思想"を浄化する方法だと説明している。収容施設を訪れたある男性は、施設に収容された人々が食料を手に入れるために、プロパガンダの歌を歌わされているのを見たと、2018年にBBCに語った。
今回、BBCなどが入手した報告書には「環境の変化と労働を通じて、徐々に彼らの思想や意見、その価値観や人生観を変えさせればいい」とある。
ゼンツ博士は、転職が「『結束の強い社会をこじ開け』宗教の負の影響を軽減するための極めて重要な手段」だと中国の学者たちは主張していると書いた。