
去年1年間に自殺した人は全国で合わせて2万1000人を超え、2009年以来の増加に転じました。女性が15%も増加したほか、高校生までの児童・生徒で過去最多となり、国は、新型コロナウイルスによる社会不安の高まりも影響していると見ています。
厚生労働省は、去年1年間に自殺した人の確定値を公表しました。
それによりますと、去年の自殺者は全国で合わせて2万1081人で、前の年から912人、率にして4%余り増えました。自殺者が増加するのはリーマンショック直後の2009年以来です。
男性の自殺者は1万4055人で、前年から23人減少しました。
一方、女性の自殺は深刻化しています。去年の自殺者は7026人で、935人、率にして15%も増えました。
特に目立ったのが若い世代で、20歳未満が311人で44%、20代が837人で32%、それぞれ増加しています。
職業別では雇用されている人が1534人で34%、主婦が1168人で14%、学生や生徒などが387人で44%、それぞれ増加し、仕事や暮らし、人間関係などさまざまな面で、悩みを抱える女性が増えていることがうかがえます。
また、子どもの自殺も目立っています。
小学生が14人(+6人)、中学生は146人(+34人)、高校生は339人(+60人)で合わせた人数は499人でした。前年を25%上回り、1978年に統計を取り始めて以降、最も多くなっています。
厚生労働省は、新型コロナウイルスの感染拡大で社会全体の不安が高まったことも影響しているとみて、民間を含めた相談体制の強化などを進めています。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210321/k10012927131000.html