柳原三佳 | ノンフィクション作家・ジャーナリスト
4/2(金) 6:00
https://news.yahoo.co.jp/byline/yanagiharamika/20210402-00230484/
赤信号無視の車に横断歩道上ではねられ11歳で亡くなった波多野耀子さん(遺族提供)

「加害者が危険運転致死傷罪で起訴されました。今朝、検察庁から葛飾警察署に連絡があったそうです」
という電話が私のもとに入ったのは、3月31日午前のことでした。ひとり娘の波多野耀子(ようこ)さん(当時11)を、昨年3月14日に起こった交通事故で失ったお母さんです。
この事故については、3月22日、以下の記事で取り上げたばかりでした。
亡くなった娘と撮った家族写真 赤信号無視の車に断ち切られた未来(柳原三佳) - 個人 - Yahoo!ニュース
耀子さんは青信号の横断歩道をお父さんと横断中、赤信号無視で走行してきた軽ワゴン車にはねられ、ほぼ即死でした。
お父さんも、この事故で足や顔の骨などを折る大けがを負ったのです。
■「危険運転致死傷罪」での起訴を求めて
赤信号無視をして横断歩道に突っ込んできた加害者(当時67)に対して、波多野さん夫妻は「過失運転致死傷罪」ではなく、より重い「危険運転致死傷罪」で起訴されるべきだと考えていました。
危険運転致死傷罪の条文には、信号無視について、
『赤色信号又はこれに相当する信号を殊更に無視し、かつ、重大な交通の危険を生じさせる速度で自動車を運転する行為』
と記されています。つまり、加害者の行為は十分これに当たると思ったからです。