あどけない表情やコミカルな動きが可愛くて世界中で人気のハリネズミ。しかしニュージーランドでは大量殺戮マシーンとして恐れられているようだ。
ニュージーランドにはハリネズミの捕食者がほとんどいない。そのため、イギリスから持ち込まれたハリネズミが食物連鎖の影響を受けることなく好き放題に在来動物を食い殺すようになった。
ハリネズミは在来種のトカゲや、鳥の卵、飛べないコオロギ(ウェタ)などを大量消費。
ある研究では1匹のハリネズミの胃から283本ものウェタの脚が見つかっており、研究者のニック・フォスター氏は「この個体は一日に60匹の動物を食い荒らした」「宴会だ」と報告するほどだった。
氏がGPSでハリネズミの動きを追ったところ、山の標高2000メートル地点で餌を探して歩き回る個体もいたという。
動物保護区からハリネズミを追い払うことは極めて重要な課題だ。
ニュージーランドでは2050年までに国外から持ち込まれた捕食者を根絶する野心的なキャンペーンを実施。
いくつかの沖合の島々では捕獲・狩猟・毒を組み合わせて根絶に成功してきたものの、本土で同じことを行うのは困難が伴う。
さらにPRの難しさもこれに拍車をかける。ネズミやオコジョは悪意ある侵略者として広く一般に受け入れられているが、ハリネズミは残念なことに愛くるしいため「(根絶に対して)心理的な障壁が生まれてしまう」という。
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