首相の関心は「経済」へ エコノミストらと面会相次ぐ
菅義偉首相が週末などに首相公邸へ招く面会相手が変化している。これまで
首相が土曜、日曜に公邸で面会する相手は、新型コロナウイルス感染症対策
に当たる内閣官房や厚生労働省の幹部らが中心だった。ところが、6月下旬
ごろから経済の専門家に意見を聞く機会が目立っている。新型コロナの
ワクチン接種が進行し、本格的な経済回復の時機をうかがっているようだ。
首相は3日、公邸で野村総合研究所の梅屋真一郎・制度戦略研究室長と面会
した。静岡県などでの豪雨被害への対応、新型コロナ対策の担当者らとの
面会などスケジュールがタイトな中でも時間を確保した。
首相が経済学者や金融系シンクタンクのエコノミストらを呼び寄せたのは
この日だけではない。
6月20日に東大大学院の仲田泰祐准教授と面会したのを皮切りに、26日
には経済評論家の岸博幸・慶応大大学院教授と面会。27日午後には経済
政策ブレーンの竹中平蔵・慶応大名誉教授、みずほリサーチ&テクノロ
ジーズの服部直樹上席主任エコノミストらをそれぞれ公邸に招いた。(略)
ただ、首相自身は6月30日の関係閣僚会議で、「(有識者から)接種を
加速することによって、経済活動の再開が大きく早まるとの指摘をいただ
いた」と述べるなど、経済の早期回復に向けた意欲を隠さない。ワクチン
接種の普及が感染収束の「切り札」と断言する首相には、新型コロナで落ち
込んだ経済からの脱却を図る具体的な「出口戦略」を示す時期が迫っている
といえそうだ。
https://www.sankei.com/article/20210703-XTLM5VY57NNZ5PT4DG7J75VIFM/