デルタ株にオリンピック、お盆や連休......それでもなぜ感染者は減った?西浦博さんが4つの仮説を検証
9/2(木) 17:33
減らすのは無理かと思ったのが....なぜ減ったのか?
オリンピックもあり、お盆に4連休とみんな結構出歩いていた気がします。感染力の高いデルタ株でも感染者が減ったのは不思議です。
デルタ株の流行が起き、他の国の流行状況も見ていると、人出がこれだけある中で減らすのは「もう無理かもしれない」と本気で思っていました。
7月の4連休や盆での移動は制御できていませんでしたし、実際にそれに伴って地域で感染者数が増えました。
だから、感染者が落ちているかもしれないデータをこの数週間見ている時、なぜなのだろうとずっと思考を巡らしていました。
7月の後半では実効再生産数(※)は2を超えていたのです。
今週先週比(※今週と先週の同じ曜日を比較した数字。1 を超えると増加傾向にある)は、最近1週間の東京都で0.7〜1.0程度になっています。
全国の直近の今週先週比の値を踏まえた上で、この後の予測シナリオを描いたのがグラフです。
これは直近1週間ぐらいの今週先週比がどれぐらいだったかを推定し、その傾向が続くと仮定して、上限幅、下限幅を決めて未来を予測しています。
7月後半は2を超えていたので、当初、8月後半には万を超えるだろうとする予測値を出していました。明らかにそれは過大評価でした。でも、その予測を出した時は十分にあり得ると思っていました。
先週今週比で予測を出している主な目的は、自治体に「これぐらいの数の検査ニーズや保健所の電話対応・入院調整のニーズが生じますよ」とか、保健医療の関係者たちに「このぐらいのレベルの入院者数、宿泊療養者数、自宅療養者数に医療が対応しなければなりませんよ」と、リアリティを持って想像してもらうために出しています。
自治体によっては臨時医療機関を流行ピークを迎える随分前から早く準備するとか、どの重症度の患者までを入院適応として、どの程度を自宅療養とするのか早いうちに決断することもできます。そのシナリオは8月前半のものが過大でした。
https://news.yahoo.co.jp/articles/bc28f102f9aecbdf1ac268bad5d3db65c2c06d23