タダでは立候補できない日本 高額の「供託金」なぜ必要?
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署名で代用する国も
弁護団などによると、OECD加盟国38カ国のうち、国政選挙で供託金制度を設けているのは日本など13カ国。
米国やイタリア、フランスなど25カ国は設けていない。日本の300万円は最高額で、韓国(小選挙区)の約2倍だ。
違憲判決によって制度が廃止された国もある。カナダでは下院選挙を巡り17年に違憲判決が出て廃止された。
アイルランドでは違憲判決後、下院選挙の無所属候補者の場合、有権者30人の署名を提出することで供託金の代わりとすることができるようになった。
日本では09年に衆院選小選挙区の300万円を200万円に減額することなどを盛り込んだ公選法の改正案が衆院で可決されたが、解散により廃案となっている。
専門家「減額が必要」
一橋大の只野雅人教授(憲法学)は供託金制度について「立候補の自由を強く制約している。
主要政党ばかりが候補者を出し、新しい声が届きにくくなっているのではないか。段階的に引き下げていくことが現実的だ」と指摘。
国が説明する売名目的の立候補を抑止するという制度目的については「売名目的であっても、資金力があれば立候補できてしまう。
一方でまじめに立候補しようとしても、資金力がなければ出られない。本来の目的が達せられているのか」と疑問を呈する。
駒沢大の大山礼子教授(政治制度論)は「衆院選の場合、選挙区と比例で重複立候補する人も多く、合わせると600万円の供託金は高額だ。
選挙費用には公費が支出されるので、供託金全廃は無理としても、特に重複立候補者については減額すべきだ。地方議会では供託金廃止も考えてよい」
と話し、供託金の代わりに署名を求める案については
「うその署名が提出される可能性もあり、制度にするには難点もある。まずは、供託金の減額を検討すべきだ」と指摘した。