岸信夫防衛相は14日、航空自衛隊防府北基地(山口県防府市)を視察し、電磁波による人工衛星への妨害活動を警戒する「第2宇宙作戦隊」を来年度中に、同基地に新設することを表明した。同基地で行った訓示の中で明らかにした。
防衛省が新設する第2宇宙作戦隊の定員は約20人で、来年度の概算要求に庁舎建設費など約7千万円を計上。日本の人工衛星が電磁波などによる電波妨害を受ける状況がないか、専用機材を使用して把握することが主な任務となる。
岸氏は14日、防府北基地の視察を終えた後、記者団に「宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域と陸海空の従来領域の組み合わせによる戦闘様相に適応することが死活的に重要。このような認識のもと、宇宙領域における能力を強化する」と述べた。
現在、人工衛星に接近する人工物への警戒活動を担う「宇宙作戦隊」が空自府中基地(東京都府中市)に設置されており、来年度から「第1宇宙作戦隊」として再編される。防衛省は5年度から「宇宙状況把握システム」の運用を開始し、8年度までに専用衛星を打ち上げる計画だ。
宇宙領域をめぐっては、中国やロシアなどが人工衛星に対する電磁波攻撃や、衛星を攻撃する衛星の開発に乗り出すなど競争が激化している。
https://www.sankei.com/article/20211114-BU6X2IZB2BMVVFYV7UDVE5443U/