琉球銀行(沖縄県那覇市、川上康頭取)は27日、50代の元男性支店長が、在籍中の2006年〜21年の間に、顧客に対して「投資信託を購入する」などと説明し、約2億1千万円を不正に流用していたと発表した。実際には投資信託は購入せず、受け取った現金や小切手をパチンコなどの遊興費に充てていた。顧客には定期的に配当金を渡して、投資信託が購入されているように装っていた。
ことし11月下旬、被害客からの投資信託の解約の申し出があり、投信の口座がないことから不正が発覚した。同行は元支店長や被害者全員に会って聞き取り調査を実施。勤務した県内の複数店舗で被害が確認されており、被害は個人と法人を含む14件に上る。調査に対し、元支店長は当初からだます目的だったと認めているという。
元支店長と被害者らは、友人、知人といった近しい関係にある人が大半を占める。銀行の店舗外で、被害者から直接現金や小切手を手渡しで受け取っており、銀行の窓口やシステムを通していなかった。
同支店長は、転職のため事件発覚前に退職。被害者の1人から詐取した金を別の被害者への返済の原資にしていたことなどもあり、不正が発覚した時点では、被害金額は約1億4千万円となっていた。発覚から約1カ月以内に、同支店長と被害者らの示談が成立し、1億4千万円を被害者全員に全額弁済した。弁済金の出どころは家族や親戚などで、同行は弁済に関わっていないという。
同行は、刑事告発に向けて県警と調整している。また、元支店長に満額支払った退職金も返還請求する方向で検討している。
同行は「信頼を裏切る結果となり、役職員一同深く反省している。信用を第一とする金融機関でこのような事件が発生し、心から深くおわび申し上げる」とコメントを発表した。記者会見は開かなかった。
投資信託の解約を申し出たら…「口座がない」 銀行支店長2億円流用 複数店で被害
12/28(火) 7:17
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