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トランプ政権誕生後、盛んに取り上げられる白人至上主義者は、決して「自分たち白人が偉くて他の人種はダメだ」と
主張している人ばかりではありません。
「黒人やラティーノがアメリカに住むのはいいしアメリカ人だと認めるけれど、白人は白人だけの地域に住んで、
黒人は黒人だけの地域に住んだほうがお互いにやりやすいよね」
この理屈はつまり、「お互いに違うのだから、別々にやろうよ」という考え方で、「分離すれど平等」という分離政策に通じるところがあります。
この問題について慶應義塾大学の渡辺靖さんが書いた『白人ナショナリズム』(中公新書)というすぐれた書籍があります。
非常にわかりやすく、欧米に広がるヘイトクライム、移民排斥、イスラム教徒差別、キリスト教支持などが的確に説明されています。
この本のなかでとても驚いたのは、白人至上主義者が日本を称賛しているということ。「我が国は単一民族だ」と発言してしまう
政治家がいたほど、日本は同質性が強い社会です。
そこで白人至上主義者は「同質性が強い人たちが社会を構成しているから、日本は犯罪も少ない。ある種の理想だ」と考えているようなのです。
共通点が多い人同士がまとまったほうが、やりやすい――これは人種問題を超えた、人間の性質そのものに関わる問題のようにも思えます。
その点を理解せず、一方的に「白人至上主義者=人種差別主義者」と決めつけるのは早計でしょう。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e24d366a8f9c7a2e62820f7aee514d8711958f0e