武者陵司
「今の円安って言うのは日米の金利差によるものってだけじゃなくて
もうひとつ重要な要素があると思うんです。それは敢えて飛躍して言うと
アメリカの国益って言うことが影響してると。
それは何故かと言うと、今までは円安になると必ずアメリカの財務省は文句つけてきたんです。
『なぜ円安にするんだ、円安で競争力強めた日本企業がアメリカの企業を駆逐するじゃないか、』と。
常に円安に文句をつけてきたのはアメリカなんですね。
それが地政学的な変化(中露北朝鮮の動向)でアメリカも方針を変えたという事なんです。
つまりアメリカはかつて超円高にする事で日本のハイテクや半導体産業の競争力を打ち砕いた訳ですね。
当時冷戦が終りアメリカの脅威となる敵はいなくなった訳ですが、
日本経済の台頭がアメリカ経済を脅かすかもしれないという事でやった訳です。
その結果、日本からハイテク産業を追い出したのは良いけど
そういった工場はアメリカに戻ってくるどころか中国、韓国、台湾にシフトし繁栄した訳です。
そしてこんなことになるくらいだったら日本にハイテク産業を置いておくべきだったと。
経済安全保障で日本を安全地帯に変えてアメリカの国益に繋げるように方針転換をし始めたのが今のアメリカと日本政府です」