自民党の重鎮として官房長官などの要職を務めた細田博之衆院議長が2019年、旧統一協会(世界平和統一家庭連合)の韓鶴子総裁を迎えて名古屋市で開かれた行事にゲストとして出席していたことが本紙の調べで分かりました。旧統一協会は霊感商法や集団結婚などで被害をもたらしている反社会的団体です。細田氏の責任が厳しく問われます。(統一協会取材班)
(写真)細田博之氏が旧統一協会系の国際会議で発言する動画を配信したウェブサイト
細田氏が出席したのは、旧統一協会系の天宙平和連合(UPF)が同年10月5日に名古屋市内のホテルで開いた国際会議「ジャパンサミット&リーダーシップカンファレンス2019」。UPFは統一協会の開祖・文鮮明(12年に死去)と妻の韓鶴子が創設した団体です。
本紙は旧統一協会などの活動を紹介する動画サイトで、会議の様子を確認しました。同会議では、韓鶴子UPF総裁を「世界的な宗教指導者であり平和運動家」「平和の母」などと称賛する映像が流れました。
司会者が「韓鶴子総裁のご入場です」と声を張り上げると、最前列の中央に着席していた細田氏は、参加者とともに起立して拍手を送りました。
UPFジャパンの梶栗正義会長が「大変ご多忙の中、多くの現職国会議員のみなさまにお集まりいただきました」と述べ、細田氏らの名をあげて紹介しました。梶栗氏は、全国的に反共謀略宣伝を展開してきた旧統一協会系の政治団体「国際勝共連合」の会長です。
細田氏がスピーチを行う場面もありました。壇上で細田氏は「韓鶴子総裁の提唱によって実現したこの国際会議の場は、たいへん意義深い」「まことにおめでとうございます」と持ち上げました。
当時は安倍晋三政権で、細田氏は自民党の派閥「清和政策研究会」(現在の安倍派)の会長でした。スピーチの中で細田氏は「今日の盛会、そして会議の内容を安倍総理にさっそく報告したいと考えております」と発言しました。
本紙は細田氏の事務所にUPFと関わりをもった経緯や同会議に出席した理由を問いましたが、期限までに回答はありませんでした。
「日頃よりお世話に」自民議員ら総裁に花束・敬意
UPFが2019年に名古屋市内で開いた国際会議には「政界からは現職国会議員を含む約160人、そのほか宗教界、学会、言論界などから合わせて約800人」(世界平和統一家庭連合ニュースオンライン)が参加しました。