資金的な支援の見返りに新たな商品やサービスを提供する「購入型」と呼ばれるクラウドファンディングの市場が急速に拡大しています。一方、見返りの商品などが届かないといった窓口への相談や苦情が相次いでいて、国民生活センターがホームページなどで注意を呼びかけています。
インターネットなどでプロジェクトへの賛同を呼びかけ資金を募るクラウドファンディング。
国内では、東日本大震災以降、地域おこしや、新たな商品開発などさまざまなプロジェクトで活用されるようになり、新型コロナの影響で資金繰りに苦しむ企業が増える中、さらに普及が進んでいます。
中でも最近広がっているのが「購入型」と呼ばれるクラウドファンディングです。
「購入型」は、支援をしてもらった見返りに、プロジェクトで開発した商品やサービスなどを提供するもので、元手が少ない個人やベンチャー企業などが大きなリスクを負わずに資金を集めることができます。
また、お金を出す人にとっては、買い物に近い感覚で、まだ市場に流通していない商品の開発などを支援でき、魅力的なリターンも期待できます。
業界団体の「日本クラウドファンディング協会」によりますと、購入型クラウドファンディングの市場規模は、2019年は169億円、2020年には501億円と、急速に拡大しています。
一方、普及が進む中、国の窓口には相談や苦情も寄せられるようになっています。
国民生活センターによりますと、ことしに入って先月までの半年間に、クラウドファンディングをめぐる相談や苦情は少なくとも120件寄せられていますが、その半数以上は、
▼返礼品が期日どおりに届かないとか、
▼発送の延期が繰り返される、
▼想定したものと違う返礼品が届いたなど、
「購入型」をめぐる相談や苦情だということです。
プロジェクト自体に問題があるケースに加えて、購入型クラウドファンディングと一般的な売買の違いについて説明が不足していたり、支援者側の理解が不十分だったりするケースがみられるとしています。
国民生活センターは今月、ホームページに購入型クラウドファンディングのトラブル事例などを紹介する情報を新たに掲載し、支援を行う前にプロジェクトの説明や、運営会社の規約を確認すること、困ったときには、各消費生活センターに相談することなどを呼びかけています。
(後略)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220727/k10013739071000.html