三不の誓いを巡る中韓の齟齬
最も懸念されるのは「三不の誓い」についての協議です。
THAAD(Terminal High Altitude Area Defenseの略)。弾道ミサイルを終末段階で迎撃するためのシステムです。
三不の誓い
①アメリカのミサイル防衛に参加しない
②日・米・韓の安保協力を軍事同盟化しない
③THAADの追加配備をしない
「三不の誓い」は、2017年10月にいわゆる「THAAD事態」※をなだめるために韓国政府が表明したものです。
※THAAD事態。韓国へのTHAAD配備に対して中国が反発して行ったさまざまな嫌がらせによって韓国企業が経済的な困難に直面した状況のこと。2016年08月には韓国のビジネスマンに対するビザ発給が制限。韓国芸能人の公演も制限され、また『ロッテグループ』の店舗に対して税務調査などが執拗に行われ、営業制限がかけられました(THAADシステムの配備にロッテグループが土地を提供したのが原因と目されます)。韓国はこのようないじめに耐えかねたのです。
韓国政府は今になって「三不の誓いは約束ではない」などと言い出しています。
2022年07月25日、朴振(パク・ジン)長官が韓国国会の場で「中国が韓国と約束したのだから守れというのは受け入れ難い」と言ってしましました。
また、「中国が、3不政策を主張するのではなく、北朝鮮の非核化のために建設的な役割を果たすことの方が重要」などと問題をすり替える始末です。
「三不の誓い」を合意であり、約束であると考える中国からすれば、これは無茶苦茶な物言いです。
そのため、2022年07月26日、中国外交部の趙立堅報道官は「どの国の外交政策も、どの政党が政権をとっているか、内政上の必要性にかかわらず、基本的な連続性と安定性を保つべきである」と、韓国政府に真っ向から説教を行いました。
中国の「国と国の間でした約束を守れ」という主張は、日本が行っているのと同じで、つまりは韓国の「約束など方便に過ぎぬ」という許しがたい態度を非難しているのです。
韓国はそもそも「約束を守る」という意識が薄弱な、アテにならない国と見ざるを得ません。相手が日本だろうが中国だろうが同じ態度なのですから。
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