7月下旬の早朝。盛岡市長田町の路上に黄色い液体が入ったペットボトルが2本落ちていた。
不自然に泡立っている。
最寄りの公衆トイレまで慎重に運び、使い捨て手袋を装着してキャップを開ける。
「オエッ」。ひどい悪臭に襲われた。
息を止め、便器に流す。
2本とも尿だった。
しばらく強烈な臭いが辺りから消えなかった。
「黄金のペットボトル」「ションペット」などというらしい。
盛岡市北山の国道4号。ここでもペットボトルが時々、捨てられている。
決まって同じ銘柄のお茶のボトル。
放尿する時に楽なのか、わずかにへこみがあるのが特徴だ。
多い時は週2回。
気温が高い今の時期は、臭いはさらにひどくなり、破裂する心配もある。
こうした尿入りのペットボトルは全国各地で捨てられている。
トラックなどのドライバーが車内で用を足し、ポイ捨てするほか、いたずら半分で路上などに放置する不届き者もいる。
国土交通省岩手河川国道事務所によると、汚物が入ったペットボトルは、国道の清掃で月に数回は見つかるという。
作業員は回収すると、中身はトイレに流し、ペットボトルは産業廃棄物として処分している。
「衛生的にも心配。嫌な仕事だが『よくあること』と割り切って作業するしかない」とあきらめた顔だ。