>>1 前モデルDCD-1600NEは、デノンの山内慎一氏がサウンドマスター(旧称サウンドマネージャー)に就任し、
「本当に好きなことをやった初めてのシリーズ」の中の1モデルであり、「当時の新世代プレーヤーとしてかなり思い切った開発をした」という。
後継モデルDCD-1700NEの開発にあたっては、そのDCD-1600NEをどう超えるか? が焦点となる。
そこで、ハイエンドシリーズ「SX1 LIMITED」で用いた手法を採用。
音質にかかわる箇所のパーツを80以上刷新し、山内氏が求める「ViVid & Spacious」なサウンドを実現したという。
オペアンプは、15種類から試聴して吟味。
安定調達できるかどうかも考慮して選び、結果的に、DCD-1600NEよりも大幅にグレードとコストが上がったが、音質的に優れるTI製のものが選ばれた。
コンデンサーには、LIMITED用に開発された肌色の独自コンデンサーを採用。
パーツメーカーからは当初難色を示されたというが、粘り強い交渉で、多くの箇所に使用できたという。
さらに、山内氏が手掛けたSYコンデンサーを始めとして、SXコンデンサー、NEコンデンサーと、
様々なコンデンサーを要所に投入。その結果、LIMITEDに類似したアサインになったという。
抵抗やインダクタ、デジタル電源、デジタルボードのコンデンサーも変更や新規採用。さらに、デジタル系ノイズ対策部品を25個追加した。
フィルム状のケーブルで、デジタル系の信号を扱うFFCケーブルの長さを最適化。
ワイヤリングも最適化したほか、トランスを固定するネジを銅に変更するといった細かい調整も行なわれている。
全体のパフォーマンスをアップさせるために、ネジの種類やノッチの有無、ワイヤリング等についてもチューニングした。
この過程で、あらゆるパーツを再評価、新規評価したが、それが膨大なノウハウの蓄積になったという。
ドライブメカ部分には、オリジナルの「Advanced S.V.H. Mechanism」を搭載しているが、これをさらにブラッシュアップ。
使用していない部品を取り外し、クロック信号がデジタル回路に行かないようにするなど、DCD-1700NE専用にリファインしている。
さらに、上位モデルのDCD-2500NEと共通化されていたオーディオ基板と電源基板にも手を入れた。
DCD-1600NEでは使用しないパターンがあったため、余分なパターンを削除。
DCD-1700NEに最適化したパターンに書き直した。
デジタル基板は4層、アナログ基板は2層とすることで、信号経路も短縮化している。