いつぞやの
わずかになってしまった残り香漂う兄の枕を持って自分のベッドに座るクリス
改めて手元の張り型をまじまじと見てみると暗さも手伝って見れば見るほど生々しく淫らに見えて仕方なかった
すでにクリス自身の準備は十分整っているが緊張を和らげるため上着をまくり上げ
へその少し上あたりの素肌を張り型でゆっくりと優しく撫ぜていった
肌にピトリと触れた瞬間冷たさに背筋をびくりと震わせ顔をカッと熱くするクリス
まるで心臓が飛び出さんばかりに早鐘を打ちだしたまらず上着を脱ごうとすると
ちょうど張り型の先端がクリスの淡い桜色の芽を優しく擦った
予期せぬ快感に仰け反り身を震わせるクリス
今度は自分から張り型を当て左右に動かしてみると
芽が擦られるたびに甘い痺れがじんわり広がりくぐもった喘ぎが口から漏れる
たまらずもう片方にも手を伸ばし二本の指で挟むと回すようにくりくりと捏ねあげたり
手のひら全体で押し上げるように揉んだり、軽くつまむと下から上に絞るようにして擦り上げた
そうしていると下腹部の疼きがどんどん大きくなり、太ももを擦り合わせるだけでは辛抱たまらなくなったクリスはとうとう下着にも手をかけたのだった
すでに潤っていたクリス自身は今の愛撫によりさらにどろどろとした濃い淫汁を分泌しており
おろした下着とクリス自身の間に幾重にも粘ついた濃厚な糸を紡いだ
下半身をあらわにすると今度はベッドに横たわり兄の枕を胸に置き脚を大きく広げると、ゆっくりと自分の秘所に張り型をあてがっていく
行為の前によく観察した張り型の形を思い起こし、今からこれが挿入ってくるんだと意識するともともと熱かった顔がさらに熱く赤くなっていくのがよくわかった
先端で入口の割れ目に沿って上下に動かすたびにクチュリグチュリと自ら分泌した淫らな汁の音が静かな部屋に響き、だんだんと挿入のことしか考えられなくなっていくクリス
しかし意を決して突き入れてみようとするも何者も受け入れたことのない秘所は
まるで入口などないとばかりに浅いところまでしか挿入出来ず
下腹部の奥深くからくる命令に支配されたクリスにはたまらなくもどかしく
思い通りにいかない快感に腰をくねらせるのだった
なんどか浅く刺しては抜いてを繰り返すうちに少しづつ奥まで挿入できるようになってきたが
同時に破瓜の鋭い痛みも少しずつ大きくなりだしてきた
そして何度目かの挿入の際ついにひときわ狭かった部分を張り型がにゅるりと通過すると
ついに奥まで入った満足感と、ついに操を失った桁違いの引き裂く痛みがクリスを襲った
あまりの痛みに止まってしまった呼吸を深呼吸でゆっくり再開させつつ、一切動かさず中でじっくり慣らしていくクリス
すると最初は二度と離さんとばかりにキツく締め付けてしまっていたクリス自身だが
だんだんと豊かな潤いに助けられ張り型とクリスとの間にわずかな余裕ができてきた
その隙を狙いゆっくり引き抜ぬいてまたゆっくり奥まで挿入することを繰り返していくと
痛みともどかしさに失われつつあった下腹部の熱がふたたび頭をもたげてきたのだった
一度動かしてしまえば張り型の挿入ペースはどんどん早くなる一方だった
張り型が根元まで挿入されるたびにわずかに赤いものとそれをはるかに上回る粘っこい淫汁が自身の太ももやシーツに飛び散って行く
のけぞった体制で足の爪先を丸めながら自身の淫汁ですっかりぬるついてしまった張り型を離さないよう両手でしっかり押さえつけて激しく挿入していく
自身が声のあまり出ない性質でよかったと声にならない恍惚の雄叫び上げつつクリスは思った
張り型が自身の中を激しく前後するたびに背筋がショートし、奥をノックするたびに脳みそがシェイクされた
心の中で呼んでいた兄の名をいつのまにか声にはならなかったが口に出していると気づいたのは
まるでその声に呼応するかのように柔らかな材質の張り型がさらに奥へ奥へと動くように入り込んできたからだった
ふわふわの毛で覆われた睾丸を模した部位が自身の尻を優しくなで、そして枕からふとした瞬間兄の匂いがかすかに香ると
その度にまるで本当に兄と行為に及んでいるような気になれて
さらに濃く粘ついた愛情に満ち満ちた汁が張り型の隙間からコポリと溢れ出すクリスであった
与えられた快感がついに限界を迎え股間を突き出す体勢で盛大に痙攣絶頂するクリス
一番奥で兄を感じたいと根元を強く握ったそのとたん、張り型が先端から中程、そして根元まで強い振動とともに激しくうねり出した
絶頂中のあまりの刺激に呼吸もできず口をパクつかせながら跳ねることしかできないクリス
張り型を抜こうにも一度手を離してしまったぬるぬるの張り型は激しく振動していることもあってつかむことさえままならず
クリスの再奥に収まったまま開通したばかりの未熟な膣内を行きすぎた快感で蹂躙し続けた
声を上げて助けを呼ぶことも張り型を止めることもできなくなったクリスには
最早ひたすら悶え痙攣し絶えず訪れる絶頂によがり狂うほかできることはなく
かすかに香る兄の懐かしい匂いと自身から立ち上る濃厚な淫靡臭の混ざったえもいわれぬ匂いに
薄れていくわずかに残った正気にさえも本当に兄と致しているのという認識をただただ刻んでいくのであった
翌朝、いつもの通り母の声で目を覚ましたクリス
最初は寝ぼけていたが記憶がはっきりするにつれ血相を変えて飛び起きるも
ただ母に驚かれただけであたりには何もない、いたって普通の朝であった
ただ、母に寂しがり屋ねと笑いながら指摘された兄の枕と一緒に寝ていたことを除いては。
昨日のことはまさか全て夢だったのか?といつも以上に周りのことが頭に入ってこないクリス
しかし下腹部のじんじんする甘い痛みが昨夜の事は事実であったと物語っていた。
しかしそれを確認しようと共に裏店に入ったスージィに話しかけようとしたが
今日はなぜかいつも以上に機嫌が悪く昨日のことを話しかけてもぶっきらぼうに返事をされるだけで
これ以上しつこくすると自分でも吹っ飛ばされそうだと思い今日はそのままそっとしておくことにした
結局その後スージィは早退してしまったとのことで、今思えばいつも以上に汗をかいていたように思うし
息も荒く、かすかに震えていたようにも見えたので
もしかしたり体調がよくなかったのかもしれないと一人納得したクリスだった
その後は昔と同じように一人で帰ることになったのだが、母から帰りに買い物を頼まれたので先日の店の本来の入り口から店内に入りいたって普通の買い物をすることにした
ふとそこでレジを打ってるオーナーを見つつこの人ならたとえカーテン越しでも自分たちが相手だったらなんとなく「ダメだぜ。」と止めてきそうな気がすると思ったり
何も同じ建物にあるからといって昨日の店がこの店と関係あるとは限らないな、と考えたり
そもそもにしてあの路地裏に前からあんな細道があっかどうか思い起こしたりしているうちに買い物が終わった。
色々気になるところはあったがどれもさほど重要なことではない
なぜなら家に帰ればまた“兄”に会えるのだ。朝起きた時はまるで夢だったかのように何もなくなっていたが
クリスにはまだあの部屋に“兄”がある確信があった。
昨夜の恍惚を思い出してふらつきそうになる体にぐっと力を入れるクリス
どこからかピエロの笑い声が聞こえたような気がしたがすでに今晩のことしか頭にないクリスの耳には入ってなかった