■機器解説
★AVアンプ(AVレシーバー)
TV・BDプレーヤー・ゲーム機・PC・スマホとHDMIや光デジタル、LANで接続し受信した各種フォーマットの音声をデコード
してスピーカーに出力する。同時にHDMIで受信した映像を、HDMI接続したTVやプロジェクターに出力する。
HDオーディオ(DTS-HD MA、Dolby TrueHD、Dolby Atmos、DTS:X、マルチch LPCM)の送受信は、光/同軸デジタル
では無理なので必ずHDMIでの接続が必要。TVのAAC音声はTVとアンプ両方がARC対応なら、TVと繋げた
HDMIケーブル1本で受信可能。どちらかが非対応なら、別途TVから光デジタルかRCAでの接続が必要。
なお、ARCはHDオーディオを送信出来ないので、BDプレーヤーはTVではなくAVアンプに直接接続が必要。
殆どのAVアンプには自動音場補正が付いており、各スピーカーの発音タイミングや音量、周波数特性などを
最適化して、各スピーカーの音に違和感なくサラウンドが楽しめるよう自動的に設定してくれる。
但し、メーカーや上下機種でその機能・能力が異なるので、全てのスピーカーをシリーズで揃えない場合や、
スピーカーレイアウト・部屋の構造が左右・前後非対称な場合は自動音場補正能力の高い機種を選びたい。
必ず付いている機能は、各スピーカーが同じタイミングで聞こえるように距離(遅延時間・ディレイ)の補正。
各スピーカーが同じ音量で聞こえるように音量の補正。低音再生能力を測定し低域成分のSWへの
振り分け基準(クロスオーバー周波数)の設定などです。メーカーや上下機種により異なる機能は各種あり、
スピーカー毎の周波数特性差を補正、部屋の反射音や残響による悪影響を補正、低音のズレを補正、
各種自動補正値を自分で微調整する機能、測定・補正精度が異なるなど様々です。
★AVアンプのチャンネル数について
AVアンプはプリメインアンプと同様に、プリアンプとパワーアンプを一体にしたものです。
Dolby AtmosやDTS:Xで7.1.4chを行うには、プリアンプ機能が11.1ch対応のAVアンプが必要です。
プリアンプが11.1ch対応でもパワーアンプが9chなら、別途2chのパワーアンプかプリメインアンプが必要です。
5.1.4chや7.1.2chの場合は、プリアンプ機能が9.1ch以上対応のAVアンプが必要です。
なお7.1chのAVアンプでは5.1.2chしか出来ず、サラウンドバックで7.1chかトップで5.1.2chの排他式になります。
★フロントスピーカー
2chステレオ音源の場合はこのスピーカーだけが使われるので、TVや音楽では最も重要。
5.1/7.1ch映画の場合はBGM、環境音、効果音、左右に移動した人物の台詞に使われる。
よって、可能な限り再生周波数帯域が広いスピーカーが必要となる。
★センタースピーカー
センターchは特別な音が出るわけではなく、フロントの音を分割担当しているにすぎない。
5.1/7.1ch映画では台詞、中央部の効果音、BGMに使われ、全体の7割以上はこのスピーカーが
支配するので非常に重要なスピーカー。台詞(センター)とBGM・環境音(フロント)が分離されクッキリし
音の定位もシャープになる。5.1ch音楽では中央部の楽器、センターボーカルに使われる。
5.1/7.1ch音源では2chステレオ○-----○が、3chステレオ○--○--○になるイメージ、よってフロントと同音質・同音色の
スピーカーが必要となる。センタースピーカーは、マルチchスピーカーシリーズ中のブックシェルフを横置きし、ウーファーを一つ足して
左右対称型にした物なので、フロントとシリーズで揃えれば同じ音になる。もしフロントとは別のセンタースピーカーを使う場合
フロントとは異なる音色や低音質のセンターを使うと、違和感が出たり全体の音質低下を招き、逆効果になるので
注意が必要。なお、5.1/7.1ch作品を観ないならセンターを導入するメリットは殆どない。
★サラウンド(リア)、サラウンドバック(SB)スピーカー
5.1/7.1ch映画では後方の効果音、残響、音の前後の位置表現、BGMに使われる。
5.1ch音楽のLiveでは主に残響音に使われるが、スタジオ録り作品では各種楽器を割り振る事もある。
サラウンドバックchは特別な音が出るわけではなく、リアの音を分割担当しているにすぎない。
7.1ch作品に収録されてるのはSBで、後方が2chステレオ○-----○から、4chステレオ○-○-○-○
になるイメージで音場がより自然に、よりリアルに感じられる。
よって、リアとSBは同じスピーカーを使うのが望ましいが、後方の音認識はあまり敏感ではないので
フロントとセンターの場合ほどシビアに考えなくても問題は無い、できれば同クラスのスピーカーを推奨。
前方スピーカー(フロント・センター)と後方スピーカー(サラウンド・SB)で、前後のステレオ状態○-----○(←縦回転)
を作っており、これで音の前後位置を表現している。
よって、フロントと同音質・同音色のスピーカーをシリーズで揃えるのがベストだが、フロントより1ランク下のシリーズの
スピーカーを使っても、AVアンプの音場補正機能を使えば、あまり違和感を感じない音に補正出来る。
但し、最近の映画ではBGMをフロント並みにリア・SBでも鳴らす場合が多いので、最低限単独で
音楽が聴ける音質・周波数レンジのスピーカーを使いたい。
★トップスピーカー(Atmos・DTS:Xのトップフロント[TF]、トップミドル[TM]、トップリア[TR])
Dolby Atmos/DTS:Xで使われるスピーカーで、天井に4本又は2本設置する事により立体表現を行う。
Atmos/DTS:Xで作られた音源は、XYZの位置情報データを持っておりAVアンプがリアルタイムレンダリングする。
Z軸が+になっている音は、フロアの7.1chだけではなく天井のトップスピーカーも使い指定位置に音を出す。
フロアの7chと同等音質が望ましいが現実的には使えるスピーカーは限られてくる。トップは小型でも構わないが
ある程度低域も出た方がリアリティーが出る。
★フロントハイト(FH)、リアハイト(RH)、フロントワイド(FW)スピーカー
このスピーカーはDolby PLIIz、DTS Neo:X、シネマDSPという旧規格で使うもので、5.1/7.1/Atmos/DTS:X
などの音源には収録されておらず、他のchから擬似的に作り出した音が出る。
なお、Atmos/DTS:X搭載機では、上記トップスピーカーの代用としてこれらを使う事は可能。
■サラウンドについて
★コーデック(音源)
これらには5.1〜7.1ch分の音声が収録されており、AVアンプでデコードし各chの音声を取り出す。
取り出した音声をそのまま再生する場合をストレートデコードという。
・BD(LPCM 5.1、DTS-HD MA 5.1/7.1、Dolby TrueHD 5.1/7.1、Dolby Atmos、DTS:Xなど)
Dolby Atmos、DTS:Xはサウンドの一部(オブジェクト)にXYZの位置情報(メタデータ)があり
頭上や半球状に配置したスピーカーに合わせて、AVアンプでリアルタイムレンダリング・リマッピングして再生する。
・DVD(Dolby Digital 5.1、DTS Digital Surround 5.1)
・TV(AAC 5.1 ※テレビ番組表にSSマークがある番組のみで主にBS/CS、通常は2ch)
・PCやゲーム機(LPCM 5.1/7.1、Dolby・DTS 5.1など)
センター・SW・サラウンド・SB スピーカーが未接続、例えば4.1、5.0、3.1、2.0chのシステムの場合
アンプのスピーカー設定で未接続部分を[無し]にすれば該当chの音はフロントスピーカー等にMixされる。
★拡張サラウンド(アップミックス)
●5.1chシステムで、2chステレオ音源をAVアンプにより擬似的に5.1chに加工する。
Dolby ProLogic II、DTS Neo:6(最大6.1ch)、各社オリジナルモード
●7.1chシステム(SBスピーカー)で、5.1/2ch音源をAVアンプにより擬似的に7.1ch(SBあり)に加工する。
Dolby ProLogic IIx、DTS Neo:X、DTS Neo:6(最大6.1ch)、各社オリジナルモード
●7.1ch以上のシステム(ハイト・ワイド・SBスピーカー)で、7.1/5.1/2ch音源をAVアンプにより
擬似的に7.1ch以上(高さや横方向あり)に加工する。
Dolby ProLogic IIz(最大9.1ch)、DTS Neo:X(最大11.1ch)、Audyssey DSX(最大11.1ch)、各社オリジナルモード
●Dolby Atmos・DTS:Xシステム(トップスピーカー)で、7.1/5.1/2ch音源を擬似的に5.1.2〜7.1.4chに加工する。
Atmos搭載機は上記DolbyのサラウンドモードがDolby Surroundに、DTS:X搭載機はDTS Neural:Xに置き換わります。
★バーチャルサラウンド(フロントサラウンド、DTS Virtual:X、各社オリジナルモード)
2.1chや3.1chのシステムでも5.1chシステムで聴いてる感じの音に加工したり、SBが無いのに有るような
音に加工したり、トップが無いのに高さを感じる音に加工する技術。
■チャンネル数とスピーカーの選び方2
★5.1/7.1chを一度に買うか、最初は2.0chや2.1chで買って後で買い足すか
スピーカー毎の音の違いが分からない場合は、5.1ch分全てを一気に購入するのではなく、
最初はAVアンプとリアで使う予定のスピーカーで、2.0や+SWの2.1chで使ってみてスピーカーの音質を確かめたり
配置やアンプの設定を試行錯誤してから、フロントやセンターをどれにするか考えると失敗しにくいです。
スピーカーの音はメーカーやクラスによって異なるので、自分の好みなのか?、満足出来るか?は、
実際に使ってみないと分かりません。人の好みも、満足レベルも人それぞれです。
買ってしばらくは満足してるが、数ヶ月経つといろいろ不満も出てきますから、
焦らずじっくり自分好みで満足出来るスピーカーを揃えた方がいいと思います。
・購入したリア用スピーカーの音に不満がなければ同じレベルのスピーカーを選ぶ。
・キャラクターが好きじゃなければ試聴やレビューなどを参考に別メーカーのスピーカーを選ぶ。
・低音やスケール感がもっと欲しければ、ウーファーサイズの大きなスピーカーを選ぶ。
・音質や解像度などに不満があるなら1ランク上のクラスのスピーカーを選ぶ。
また、センターが必要かどうかも、実際にセンターchからどんな音が出てるのかを体験出来るので
判断しやすいです。センターchを体験するには、フロントスピーカーのどちらか片方のケーブルを
AVアンプのセンターch端子に繋ぎ換え、アンプのスピーカー設定でセンターありにする。
その状態で5.1ch作品を再生すれば、フロントの片方がセンターchとして音が出ます。
もしセンターは要らないと思えば、マルチchシリーズじゃないスピーカー(センターのないステレオ用SP)を
フロント用に買ってもOKです。センターを使うならフロントは必ずセンターがあるマルチchシリーズを買って下さい。
■チャンネル数とスピーカーの選び方3
★センターは必要か、どれを買えばいいか
5.1ch映画をよく観るならセンターはあった方がいいですが、殆ど観ないならセンターは必要ないです。
使う/使わない・どれにするの要点はこの3つ、条件次第では使わない方が良い音場になります。
『フロントと同じ音』
センターはフロントと同じシリーズで揃えるのが基本です。どうしても別シリーズのセンターを使いたい場合は
フロントより上位クラスのセンターを使って下さい。音質が劣る下のクラスのセンターを使うと確実に失敗します。
『センターの位置が、フロントより低すぎ高すぎはNG』
フロントのツイーターが耳の高さに合わせてあるとして、視聴位置から見てセンターの中心が上下20度以内に
設置できない時はやめた方がいいです。違和感なく使うにはフロントのツイーターとセンターの中心が
上下15度以内(可能なら10度以内)を目標にして下さい。
『低域の出ないものはなるべく避ける』
センターchはフロントchをもう1本増やすのが目的なので、フロントにブックシェルフを使う場合と同様
なるべくウーファー径やキャビネットが大きく低域がしっかり出るスピーカーが理想です。
シリーズに2種類あるなら大きい方を選びましょう。小さなセンターを使うとフロントと比較して
極端に低域が出なくなるのでスケール感や迫力が落ちます。
もしシリーズのセンターが小さいものしかない場合、フロントと同メーカーで上位クラスの大きいセンターを使う方法もあります。
但し自動EQ補正値を聴感で微調整しないと、音が馴染まず違和感が出る可能性もあるので注意が必要です。
なおマルチch音楽再生を優先したい場合や、音場補正を使わないピュアダイレクト再生をメインにするなら
センターもフロントと同じウーファー径にする事で音の一致率は高くなります。
設置スペース(高さ)がないので別のシリーズからウーファー径の小さな(高さが低い)センターを組み合わせる
というやり方は絶対やめて下さい。その場合はセンター無しの4.1chにした方が良い結果になります。
■チャンネル数とスピーカーの選び方7
★サラウンドバックによる7.1chとAtmosトップによる5.1.2ch
7.1chのAVアンプはメーカーやクラスによって、SP端子が9ch分の機種と7ch分の機種の2種類あります。
9ch端子の機種は、[SB]と[TOP]が両方繋げられるので、両方付ければサラウンドモードに応じて
切り替え可能ですが、7ch端子の機種は両方繋げられないので、どちらか選ぶ必要があります。
7.1ch作品は[SB]が、Atmos/DTS:X作品は[SB]と[TOP]を使うオブジェクト)が収録されています。
自分がよく見るソースで使われている方を優先して下さい。
[SB]があると音の位置・音の移動感が精細になり、自然で緻密な360度の空間が得られます。
[TOP]はAtmos・DTS:X作品で使われますが、多用する作品もあれば殆ど使わない作品もあります。
オブジェクトのメタデータに高さ成分が無い場合や音の半径が小さい場合、[TOP]は使われません。
[SB]はそれらが無くても使われます。もし5.1.2だと[SB]は[サラウンド(リア)]にミックスされてしまいます。
■スピーカーとAVアンプの組み合わせ例(スピーカーはフロントの価格で最安値基準)
上段:映画メインの場合
下段:音楽を最優先した場合
☆14万〜のブックシェルフ、又は同シリーズのトールボーイ
RX-A2070、SC-LX701、AVR-X6400H、SR8010、SC-LX801、RX-A3070、SC-LX901、AVR-X7200WA
AVR-X6400H、SR8012、SC-LX801、RX-A3070、SC-LX901、AVR-X7200WA
☆10〜13万のブックシェルフ、又は同シリーズのトールボーイ
AVR-X4400H、RX-A1070、SC-LX502、TX-RZ820
RX-A2070、SC-LX701
☆6〜9万のブックシェルフ、又は同シリーズのトールボーイ
RX-A870、AVR-X2400H、NR1608、TX-NR676E、RX-A770、STR-DN1080
AVR-X4400H、RX-A1070、SC-LX502、TX-RZ820
☆4〜5万のブックシェルフ、又は同シリーズのトールボーイ
RX-V583、AVR-X1400H
RX-A870、AVR-X2400H、NR1608、TX-NR676E、RX-A770、STR-DN1080
■AVアンプ一覧
税抜定価-税込最安値[17/12/18までの価格com履歴]、旧モデル定価と最安値、プリch(パワーch)
●2017 ○2016年 ★2015年モデル
ハイ
★AVR-X7200WA 35.5万-20.0万、11.2ch(9ch)、後継機AVC-X8500Hを2018年春発売
○SC-LX901…・. 41.0万-24.5万、(39.5万-17.2万)、11.2ch(11ch)、旧SC-LX89
●RX-A3070 ・・. 27.0万-24.8万、(27.0万-19.0万)、11.2ch(9ch)、旧RX-A3060
○SC-LX801…・. 35.0万-17.4万、(29.5万-12.5万)、11.2ch(9ch)、旧SC-LX79
●SR8010 …・・.. 37.0万-32.0万、11.2ch(11ch)
●AVR-X6400H. 30.0万-21.8万、(28.0万-14.9万)、11.2ch(11ch)、旧AVR-X6300H
ミドル
○SC-LX701…・. 23.3万-13.4万、(21.0万-10.9万)、11.2ch(9ch)、旧SC-LX59
●RX-A2070 ・・. 20.0万-15.1万、(20.0万-10.6万)、9.2ch(9ch)、旧RX-A2060
●AVR-X4400H. 17.0万-11.8万、(16.0万-8.7万)、11.2ch(9ch)、旧AVR-X4300H
●RX-A1070 ・・. 14.0万-9.7万、(14.0万-7.6万)、7.2ch(7ch)、旧RX-A1060
●TX-RZ820 ・・. 12.8万-8.3万、(12.8万-6.2万)、7.2ch(7ch)、旧TX-RZ810
●SC-LX502…・. 18.5万-14.5万、(18.5万-7.0万)、7.2ch(7ch)、旧SC-LX501
エントリー
●RX-A870 …・. 11.0万-8.0万、(11.0万-6.8万)、7.2ch(7ch)、旧RX-A860
●RX-A770 …・・. 8.8万-5.9万、7.2ch(7ch)
●AVR-X2400H・ 9.0万-5.8万、(8.5万-5.5万)、7.2ch(7ch)、旧AVR-X2300W
●NR1608 …・・・.. 9.0万-5.9万、(8.5万-5.6万)、7.2ch(7ch)、旧NR1607
●TX-NR676E … 9.0万-4.7万、(9.0万-4.1万)、7.2ch(7ch)、旧TX-NR656
●STR-DN1080.・ 7.8万-5.4万、(7.2万-4.0万)、7.2ch(7ch)、旧STR-DN1070
●RX-V583 …・・. 7.2万-4.2万、(7.2万-3.7万)、7.2ch(7ch)、旧RX-V581
●AVR-X1400H・ 5.9万-4.1万、(5.8万-3.5万)、7.2ch(7ch)、旧AVR-X1300W
2点なら、中間点のトップフロント/トップリア(前後等角度)に設置しそこでレンダリング出力。
1点なら、前後を均等にカバーできる中間位置のトップミドルに設置しレンダリング出力としています。
フロントハイト/リアハイトの場合、前面壁と後面壁となり頭上の表現は必ず前後2個のステレオで
表現しなければならないが、トップフロント/トップリアなら真上以外は単独で出力可能です。
1点の場合、Atmosではトップの信号をダウンミックスするらしく、どこに設定しても同じ音が出る
という報告があります。よってフロントハイトだと前方に全ての音が出力されてしまい、
中央や後方の上下が表現出来ない、さらに前面壁の上方からしか音を感じないのでリアル感が出ません。
もちろんこれらはベストパフォーマンスを発揮するための方法であり、実際は設置可能な条件から
ある程度パフォーマンスを妥協して、部屋に合ったポジションで設置することになります。
■Dolby Atmos/DTS:Xを簡単に解説5
【トップスピーカーに使用するスピーカー】
旧来のDolby PLIIz、DTS Neo:X、Audyssey DSX、シネマDSPの7.1〜11.1chで使用していた
フロントハイトなどの場合は、主にサラウンドchから作成した残響音やアンビエントに
使用していたので、小型で音質も適当なスピーカーでも大丈夫でした。
しかしAtmos/DTS:Xは劇中の音そのものをオブジェクトとして扱い、エフェクトや効果音、環境音
だけではなくBGMや音声もあらゆる音をトップスピーカーに出力します、帯域制限もないので
20Hz〜20kHzのフル帯域の音です、衝撃音・爆発音などもトップスピーカーで出力します。
従ってベストはフロントと同じスピーカーですが現実的ではないので、同シリーズのスピーカーや
シリーズの埋め込みスピーカー、現在サラウンド用に使ってるスピーカーがベストです。
しかし天吊りの場合、天吊り可能なスピーカーで重量も考える必要があるので、設置可能なスピーカーは
限られてきます、なるべく音色や音質が近いスピーカー、なるべく低域も出るスピーカーが望ましいです。
まあ、実際のところ殆どの人は妥協して設置してますので、サイズや価格で選んでも構いません。
但し激安の小さなサラウンド用スピーカーを使うとパフォーマンスは確実に落ちます。
また、Dolbyのインストールガイドではトップフロント/トップミドル/トップリアは真下に向ける
となっていますが、これは分散角の広い(指向性が広い)スピーカーを使う前提なので、
通常のスピーカーの場合、ブラケットで視聴位置に向けて設置する事を個人的におすすめします。
なおイネーブルドスピーカーは、どうしても天井に設置できない場合は有効ですが、
天井に設置したスピーカーと同じようにはならないので、あまり期待しない方がいいです。
可能な限り天井にトップスピーカーを設置することをおすすめします。