【サルートン】
その歴史は古く中国・殷代にまで遡る
殷王朝を永らく悩ませ続けた異民族の中でも、
その偏屈な言動で特に忌み嫌われる存在だったのが岡族である
身の丈五尺に満たぬ小男と伝えられる尚大王に率いられた岡族は、
少数勢力ながらその神出鬼没ぶりと横暴さで民を苦しめていた
岡軍旗は何とも形容し難い奇妙な色彩と無個性かつ稚拙な図柄で彩られ
当時の民草はその旗を見る度に嫌悪を感じたという
その暴虐ぶりを重く見た時の皇帝・煬帝は、
名将・申兎屯将軍に命じて討伐に乗り出した
民衆も自発的に加わり、官民挙げての追討作戦が始まる
民衆は至るところで大声を張り上げ
「岡王、申兎屯来来(岡よ、申兎屯将軍が来たぞ)!」
と叫びながら尚大王を次第に追い詰めていったという
唯一の自慢である学歴も通用せず、経歴や根城の所在が暴かれるに至り、
元より精神異常を患っていた尚大王は遂に遁走する
こうして岡族は駆逐され、衰亡の一途を辿るのである
今日においてもインターネット上で「岡くんサルートン!」と
爽やかな挨拶が交わされるのはこの故事に由来する
ー民明書房刊「黒柳徹子写真集2017 すっぴんのトットちゃん」よりー